私の「出版論」講義  川井良介 (2008年12月12日)

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■ 出版教育研究部会   発表要旨(2008年12月12日)

私の「出版論」講義

 日本出版学会も40年の歴史を刻んできた。学会の研究発表会も年々盛んになり,研究会も数多く行われている。そうした中で「出版教育は何を目指すのか」は,必ずしも明確にはなっていないように思われる。そこで本年度より出版教育の再検討を統一テーマとして研究会を行っていくことにした。その第1弾が本報告である。
 川井良介会員は,以下のようなシラバスを提示して,具体的な講義の進め方について言及した。
出版論 川井良介
【授業表題】 マス・メディアとしての出版
【授業内容】 豊かな読書生活のために本や雑誌についての基本知識を教示する。書籍,雑誌など出版メディアはマス・メディア的存在であるが,ミニコミ的存在でもある。ここでは,特にマス・メディアとしての出版-ペーパーバック(文庫本・新書版),ベストセラー,マス・マガジンを中心に考える。企画-執筆-編集-印刷-製本-流通-読書という出版現象を一緒に理解しよう。将来,出版界を志望するものに,基礎的情報を提供したい。
【授業計画】 1.出版とは。2.出版メディアの範囲。3.出版メディアの特性と機能。4.書籍の基礎知識(1)書籍とは(2)判型…B5判とA5判はどうちがう(3)書籍の種類…なぜ,みんな安い文庫本で出版されないの?(4)部数…「甘い印税生活」(5)奥付とは何か。5.現代のベストセラー…平成のベストセラー「脳内革命」はインチキ本?。6.現代雑誌の世界①雑誌とは②雑誌メディアの特性③雑誌の種類…女性ファッション誌『JJ』『CanCam』『ViVi』は質屋の必読誌④現代マス・マガジンの特徴…誰のための『non-no』。7.出版社とその仕事(1)出版業の特色(2)出版社(3)有力出版社の歴史
 以上のような講義の主たる目的は「出版リテラシー教育」と報告者は位置づけた。産学協同による教育の可能性などにも議論は及び非常に充実した研究会であった。
(塚本晴二朗)