「書籍・雑誌の流通・取引慣行の現状」  木下修・石岡克俊・星野渉 (2008年7月29日)

■ 出版経営研究部会   発表要旨 (2008年7月29日)

「書籍・雑誌の流通・取引慣行の現状」(公取委調査・作成)
の射程と著作物再販の地平

 出版経営研究部会の本年度第4回例会は,7月29日,「書籍・雑誌の流通・取引慣行の現状」(公取委調査・作成)の射程と著作物再販の地平」をテーマに日本エディタースクールで開催した。
 6月19日に開かれた著作物再販協議会で公正取引委員会が調査・作成した「書籍・雑誌の流通・取引慣行の現状」「新聞の流通・取引慣行の現状」「音楽用CDの流通・取引慣行の現状」の3つが公表・配布された。
 このうちの「書籍・雑誌の流通・取引慣行の現状」を読みかつ出版再販問題について,木下修,石岡克俊,星野渉の各会員が発表し,討論を行った。
 まず星野会員が1991年の政府規制等と競争政策に関する研究会(座長・鶴田俊政専大教授)による再販制度見直しの経緯と,今回の再販協議会の議事内容,公取委作成の資料について専門誌記者の視点から発表した。
 木下会員は公取委が今回,改めて流通取引慣行の問題点を指摘したことの意味について発表した。
 石岡会員は独占禁止政策の視点から再販協議会や6項目是正措置などの法的根拠について報告した。
 討論では,今回,公取委がこのような調査結果を公表したことの背景や,出版業界が取り組んできた再販制度の弾力的運用の意味などについて活発に議論された。
(文責:星野 渉)