2008年度事業計画(2008年4月~2009年3月まで)

2008年度事業計画(2008年4月~2009年3月まで)

 1969年3月に設立された日本出版学会は,世代的にも,また,研究の段階としても新しい段階に到達しているということができる。2008年度は,そのような新しい段階にふさわしい活動を行いたいと考えている。

■ 1.研究活動のネットワーク化の拡大

 1984年10月に最初の国際出版研究フォーラムが韓国・ソウルで開催され,以来四半世紀の間に我々は様々な交流を通じて,より内容の深められた議論を行う段階に到達している。それは,国際的なネットワークとしてもそうであり,また,国内の研究者間のネットワークにおいても同様である。我々はこの方向を踏襲して歩みたい。

■ 2.会勢と財政の充実

 当学会は当初66名の発起人によって設立されたが,会員数はまもなく400名になろうとしている。しかし,学術研究団体としては決して多い数ではなく,その社会的使命を果たすためには,より多くの会員を擁することが必要と思われ,日常の活動や各種の刊行物を通じて,会員の獲得,会勢の充実を期したいと考えている。また,漸く危機を脱したとはいえ,学会の中・長期的観点からは,学会財政のなお一層の充実が必要と思われる。

■ 3.事業

(1)調査研究の推進
 1 研究部会活動の推進
 当学会の活動がその規模に比較して活発であることの一因は,部会活動にあるといっても過言ではない。しかし,現状部会間にやや格差があり,非常に活発な部会とそうではない部会が存在している。また,新しい状況に対応した部会が求められる場合もある。このような状況に的確に対応し,より円滑な部会活動が行われるように努力したい。
 2 研究発表会の拡充
 これまでのところ,春季,および秋季研究発表会においては積極的な発表があり,活発な議論が行われている。しかし,発表者の募集時においては,必ずしも目標とする発表者数に達しない場合もあり,学術的水準の向上の観点からも,研究発表会をより充実させることはむしろ急務であると考えている。
(2)学会誌・会報の発行
 1 学会誌『出版研究』
 第39号の企画・編集を進め,年度内の発行を予定する。
 2 『日本出版学会会報』
 本年においては3号の発行を予定し,内容の充実を図るとともに,ウェブサイトとの連動によって学会の公知化に資することとしたい。
 3 会員名簿の改訂
 既に準備は行われているものの,前期において刊行には至らなかった学会員名簿の刊行を実現したい。
(3)国際交流の促進
 1984年10月に最初の国際出版研究フォーラムが韓国・ソウルで開催されて以来,これまで,日本,中国,マレーシア,フィリピンにおいて,通算12回に渡って開催され,本年5月には,韓国で,第13回国際出版研究フォーラムが開催される。日本出版学会は,これに対して5名の発表者を含む18名の代表団を派遣し,研究者の国際的交流に資する計画である。また,周年事業の中で設置された「出版研究国際交流基金」に対する寄付は恒常的に受け付けるものとし,今後の国際交流の活性化に向けて備えたいと考えている。
(4)日本出版学会賞の審査・授与
 学会創立10周年を記念して創設された日本出版学会賞は,その後,20周年,30周年,35周年記念事業の中においても位置づけられ,基金の確保と共に継続されている。日本出版学会賞の授与を可能とする基金については,今後共通常会計からも資金を生み出し,その財政基盤を確立することとし,すぐれた研究成果に対する学会賞の授与を今後共継続したいと考えている。
(5)学会創立35周年記念事業の完成
 学会創立35周年記念事業は,今回の日本出版学会史の刊行をもってすべて完成することになる。継続されるのは,「出版研究国際交流基金」への任意の寄付の受け入れ,および,通常会計から日本出版学会賞への資金組み入れ等であり,特別委員会として設置された「創立35周年記念事業委員会」「国際シンポジウム実行委員会」「日本出版学会35年史刊行委員会」および,既にその任務を終了した「財政に関する特別委員会」,「調査委員会」等の5つの委員会は本総会をもって解散されるものとする。
 なお,当期の事業は,前期に行われた役員改選によって新たに選出された役員によって行われ,まさに新しい時代にふさわしい学会運営が行われるものと思われる。

[ このページの先頭へ ]