第13回国際出版フォラム基調報告に代えて  星野 渉 (会報122号 2008年10月)

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「本の道,共存の道」 第13回国際出版フォラム基調報告に代えて (会報122号 2008年10月)


  星野 渉

 第13 回国際出版研究フォーラム(国際出版学術会議)は日本,韓国,中国の出版研究者が参加して5 月13 日,ソウル市内の「韓国文化の家」で開かれた.
 この期間は国際出版連合(IPA)の第28 回ソウル大会(5 月12 ~ 15 日)が,韓国ソウル市のCOEX で開催されており,川井良介会長を団長にした日本出版学会会員18 人の参加者は,IPA 総会や晩餐会などにも参加した.
 メンバーは11 日にソウル金浦空港に到着し,IPA 総会の前夜祭に出席した後,場所を移して韓国出版学会が用意した歓迎会に参加.川井会長,韓国出版学会・李正春会長,中国編輯学会・程紹沛副会長の挨拶に続き記念品を交換し,日本からは両国の学会に4 月に刊行した『出版学の現在』を贈呈した.
 12 日はIPA 総会に参加.同総会はアジアにおいては1976 年の京都大会,1992年のインド・ニューデリー大会に続く3回目の開催で,世界から出版人530 人余が集まり,出版の役割,デジタル技術への対応,著作権保護の必要性などのテーマについて,期間中に26 のセッションが開かれた.また,非加盟国の中国も特別招待国として招かれ,日本からは開催国の韓国に次ぐ72 人が参加した.
 初日のオープニングセレモニーではアナ・マリア・カバネラスIPA 会長の開会挨拶に続き,大韓出版文化協会・ベク・ソッキ会長が開会を宣言,さらにイ・ミョンバク大統領が登壇して挨拶を行い,韓国が国を挙げて出版産業を支援する姿勢を強調した.
 13 日の国際出版研究フォーラムは,第3 回安春根出版著述賞授賞式が行われた後,産業,政策,経営,読書の4 セッションに分けて発表が行われ,日本からは星野渉「日本の出版産業の構造的変化=雑誌メディアの低迷とデジタル技術の影響」,植村八潮「出版振興政策と著作権法改正論議にみる出版社の役割」,山本俊明「学術情報のグローバルな流通の現状と課題=電子メディアは学術出版システムの危機を解決するのか」,中町英樹「マーケティングに基づく出版社経営の再生」,湯浅俊彦「日本における出版メディアのデジタル化の現状と読書の変容」の発表が行われた.


 14 日目はIPA 総会参加者とともに,パジュ出版都市や非武装地帯の見学を行い,15 日,16 日はIPA 総会に参加して全日程を無事終了した.

(初出誌:『出版学会・会報』2008年10月122号)


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