日本出版学会賞 受賞記念講演会のご案内(2018年7月7日開催)

■ 日本出版学会賞 受賞記念講演会のご案内(2018年7月7日開催)

日本出版学会では、出版の調査・研究に関するすぐれた著作に対して、学会賞を授与しています。
このたび、下記のとおり受賞記念講演会を開催いたします。

「読書する共同体とナチズムの台頭」

 竹岡健一氏(鹿児島大学) (第39回(2017年度)日本出版学会賞受賞)

日 時: 2018年7月7日(土)
       13:30~ 会場受付
       14:00~15:30 講演  15:30~16:00  質疑応答
会 場: 専修大学神田キャンパス 7号館大学院773教室
    http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/profile/campus.html#map_kanda
会 費: 会員無料、非会員1000円(学部生無料、学生証を提示ください)
定 員:30名(満席になり次第締め切ります。やむなくお断りすることもあります)

申 込:メールまたはFAXで下記宛お申し込み下さい。
      日本出版学会事務局 e-mail:info@shuppan.jp FAX:03-3313-7348 

竹岡健一 著 『ブッククラブと民族主義』(九州大学出版会)

 本書は、19世紀末から1980年代にかけてのドイツで大きな発展を遂げたブッククラブの盛衰を、時代の変遷と共に精緻に論じた研究の書である。本研究を通じて、われわれは、そもそもブッククラブとはそれまで読書に縁のなかった社会の中下層の人々に広く書籍を提供する「読書の民主化」をもたらす存在であったことを知り、そして戦前の民族主義的性格を帯びたブッククラブおよびその母体となった中間的身分層に属する組織がナチズムに取り込まれていく過程を目のあたりにする。ブッククラブは、思想空間形成の契機となっていたのである。ブッククラブ成長の背景には、資本家とプロレタリアートのあいだの中間層が自分たちの身分を護る為にナチズムに接近していったプロセスがあるという本書の指摘に、われわれは社会の大衆化の問題を考える上でも極めて示唆的な視点を獲得することになるだろう。

主催:日本出版学会