英文読解のポイント
柴田耕太郎 (会員、翻訳家)
翻訳者も翻訳書編集者も翻訳研究者も、中・高・大を通じて公的教育で教わらないが、翻訳に携わる上で大切な点を講義形式で開陳した。
翻訳者・翻訳経営者・翻訳教育者として場数を踏み、実践の現場から演者が会得したのが以下の方法論である。
(1)よい翻訳をするために必要な力
語学力:文法力と論理力
表現力:日本語とセンス
調査力:調べる能力と調べたものについての判断力
(2)日本語表現の七つの指針
一文を短くする
掛かり方をハッキリさせる
読点は多用しない
リズムある文章にする
不用意に接続詞・接続助詞を用いない
語義は正確に使う
同じ言葉は続けない
これらの具体例を示し、演者が質問に答えた。
出席者はみな語学の素養のある方々であるが、自分がおぼろげに感得している事項が明晰に示されたのでよかった、さらに深く事例を掘り下げてほしい等の感想を得た。
ここ数回は翻訳部会の肩慣らしであり、課題の持越し、問題点の摘出は行わなかった。
出席者は途中の出入りがあり、概数であるが約10名であった。
日時: 2018年5月12日 18:00~19:30
会場: 株式会社アイディ会議室
(文責:柴田耕太郎)