2018年電子出版ビジネスの現状と今後の展望 植村八潮・矢口博之・星野渉・梶原治樹 (2019年2月28日開催)

■ 日本出版学会 出版デジタル研究部会 開催要旨 (2019年2月28日開催)

「2018年電子出版ビジネスの現状と今後の展望」
 ―文化通信アンケート調査による―

コーディネータ:
植村八潮(専修大学、会員)

パネリスト:
矢口博之 (東京電機大学、出版デジタル研究部会部会長)
星野 渉 (文化通信社、会員)
梶原治樹 (扶桑社、出版デジタル研究部会副部会長)

 出版デジタル研究部会は2019年2月28日(木)、電子出版制作・流通協議会との共催で、「2018年電子出版ビジネスの現状と今後の展望」―文化通信アンケート調査による―を開催した。

 はじめに植村会員より挨拶と概要説明があり、次に矢口会員より、文化通信社が東京電機大学と共同で毎年実施している「出版社における電子書籍・デジタル雑誌ビジネス実態調査」についての結果報告が行われた。続いて、星野会員より、最近のニュース記事を含めた2018年の電子書籍ビジネス動向に関する報告があった。また梶原会員からは、扶桑社における電子出版化の現状、出版社が持つ課題と電子出版について具体的な事例紹介を交えた報告があった。

 その後植村会員の司会で「電子出版ビジネスの現状と今後の展望」をテーマにパネルディスカッションがおこなわれた。データは2017年時点の出版社の状況を2018年7月に調査したものであるが、報告で述べられていた内容が、2019年時点では既に過去の状況となりつつあるとの説明があり、改めて電子出版を取り巻く状況の変化が速いことが認識できた。また扶桑社の取り組みについての具体的な質問が出るなど、出版社の取り組み状況も関心を集めていた。今後の展開として、広告媒体が従来の新聞・交通からSNSをはじめとするインターネットに移行しつつある状況を踏まえ、SEO(Search Engine Optimization)対策の重要性を指摘する意見、さらには書誌情報の作成もSEOを睨んだものにする必要性を指摘する意見が出るなど、今後の出版ビジネスに関する示唆に富んだ活発なディスカッションであった。

参加者: 63名 (会員14名、一般49名)
会 場: 東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル 6階会議室

(文責:矢口博之)