日本出版学会 翻訳出版研究部会「ライプニッツ著作集」のご案内(2023年7月21日開催)

■日本出版学会 翻訳出版研究部会「ライプニッツ著作集」のご案内
(2023年7月21日開催)

 日本出版学会 翻訳出版研究部会では、4回シリーズで「翻訳全集」をテーマにした研究部会を開催しています。第3回となる今回は、工作舎の編集者(前社長)・十川治江さんをお迎えし、表舞台に立つことが少ない、裏方としての“編集者”の立場から翻訳全集への取り組みについてお話し頂きます。
 テーマとしてお話し頂く『ライプニッツ著作集』(第Ⅰ期全10巻、日本翻訳出版文化賞受賞)は1988年に刊行を開始し1999年に完結、さらに第II期(全3巻)は2015年から2018年にかけて刊行されました。この著作集の企画、翻訳者依頼、スケジュール管理、監修者との調整、編集作業、デザイン・造本設計の発注など、全工程に十川さんは関わっています。十川さんからは、次のようにお言葉をいただいています。
 
普遍の夢を追いつづける
『ライプニッツ著作集』第Ⅰ期全10巻・第Ⅱ期全3巻 編集逸話
十川治江

 ライプニッツに興味をもったのは、1973年、当時刊行していた理系・文系の統合をめざす雑誌『遊』7号で数理哲学の小特集を編んだことがきっかけでした。コンピュータのベースとなる記号論理学の出発点にライプニッツがいるにもかかわらず、当時、彼の思考プロセスを日本語で直に読めるのは哲学系のものしかなく、何とかこの法外な偉才の思考の全容が見渡せるような著作を拾い読みでもいいからしてみたいという一読者としての願望のみで、無謀にも動き出してしまいました。着手して初めて、老舗出版社がライプニッツに手をつけない十分な理由が身に染みました。哲学的素養も語学力もない未熟な編集者の失敗談には事欠きませんが、生涯宮仕えしながら理論と実践の両輪を回し続けたライプニッツの魅力の一端なりともお伝えしたく、お話させていただくことにいたしました。
 
 
日 時:2023年7月21日(金)午後7時~午後8時30分(開場:午後6時45分)
報 告:十川治江(工作舎)
場 所:文京シビックホール3F 会議室2(東京都文京区春日1-16-21)
会 費:日本出版学会 会員 無料
    日本出版学会 非会員 1,000円
    学生 無料(学生証をご提示ください)

申込先:Google Formsにて受け付けます。
    https://forms.gle/cfNoggp3Ui1AXxaHA

主 催:日本出版学会 翻訳出版研究部会
    (部会長:柴田耕太郎、担当理事:安部由紀子)