日本出版学会では、出版の調査・研究に関するすぐれた著作に対して、学会賞を授与しています。このたび、下記のとおり受賞記念講演会を開催いたします。
タイトル:
「近代日本におけるメディア文化圏としての「地下出版」」
講 師:
大尾侑子 氏(東京経済大学コミュニケーション学部)
第44回(2022年度) 日本出版学会賞 奨励賞受賞
『地下出版のメディア史――エロ・グロ、珍書屋、教養主義』
(慶應義塾大学出版会刊)
日 時:2023年9月6日(水) 18:30~20:00
場 所:専修大学神田キャンパス10号館10042教室
+オンライン開催(Zoom)のハイブリッド形式
会 費:無料
定 員:対面の上限は70名、オンラインは100名まで
申し込み先
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfq68nw8mp1z-QjagRbtXgqtqWsi9il3KYNftzRfznN2vquww/viewform?usp=sf_link
(Google Formにて受け付けます。上記URLをクリックしご登録お願いします。)
申込み締切:2023年9月3日(日)まで
※定員を超えた場合は、先着順とさせていただきます。
※オンライン参加者には開催前日までに、Zoomの招待URLをお送りします。
【開催概要】
従来、地下出版という用語は東欧諸国におけるサミツダート(反体制的出版物)、あるいはロバート・ダーントンが『革命前夜の地下出版』(岩波書店、2015)で描いた、フランス革命を「どん底」の世界から用意した地下流通のパンフレットなどを指す言葉として用いられてきた。一方、拙著『地下出版のメディア史』は戦前昭和に「珍書屋」と呼ばれた軟派出版物専門の版元によって、会員限定頒布で流通したエロ・グロ出版物と、そこで形成されたメディア文化圏を〈地下出版界〉と便宜的に定義し、近代日本におけるオルタナティブな教養主義の系譜を明らかにするものであった。本講演では、同書の内容を踏まえて日本の出版研究において等閑視されてきた残余カテゴリーとしての地下出版史について、その消長を素描する。
主 催:日本出版学会 出版史研究部会