日本出版学会賞 受賞記念講演会(新藤雄介氏)のご案内(2025年12月5日開催)

「ごく平凡な能力の私が1年でではないけれど本を出版できた理由」
 報 告: 新藤雄介(早稲田大学)

 第46回(2024年度)日本出版学会賞 奨励賞受賞
 『読書装置と知のメディア史――近代の書物をめぐる実践』
 (人文書院刊)

 
日 時: 2025年12月5日(金) 18時30分~20時
開催方法:オンライン(Zoom)
参加費: 無料

参加申込方法:下記Googleフォームよりお申し込みください。
       https://forms.gle/qUHeJNS6BvutDinc9
申込締切:開催3日前(2025年12月2日)まで

※ 参加者には開催前日までに、Zoomの招待URLをお送りします。
 なお、指定の定員を超えた場合は、先着順とさせていただきます。

主 催:日本出版学会 出版史研究部会
 
【開催概要】
 私が好きなノンフィクションに、ジョシュア・フォア『ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由』(エクスナレッジ、2011年)があります。この本は、世界記憶力選手権のチャンピオンが語った「記憶のための方法と記憶力の仕組みを理解すれば、誰だってできる」という言葉に興味を持ったジャーナリストが取材を始め、自分が実験台となって挑戦をして、実際に全米記憶力選手権で優勝するまでの話です。
 この本が思い出深いのは、「ランダムな単語15個を順番に憶えるなんて自分の脳みそではどう考えても不可能!」と思っていたのに、この本にある方法を使ってやってみれば、驚いたことに自分でも可能だったという体験をしたからです。ここから私が学んだのは、難しそうに見えるものごとでも工夫して上手い方法を編み出せば達成可能だ、ということでした。
 今回、私がお話させていただこうと思うのは、「研究のための方法と研究の仕組みを理解すれば、独自性のあるいい研究は誰だってできる」と思っている、私なりの研究の方法です。それは、誰でもできるがほとんどの人はやろうとしないことをすることで、具体美術協会の創設者の吉原治良が述べたように「人の真似をするな。今までにないものをつくれ」ということでもあります。もちろん、研究はそんなにはうまくいかない訳で、そうした紆余曲折と七転八倒を含めて、これまでの私の研究の方法について開陳したいと思います。