2004年度事業計画(2004年4月~2005年3月まで)

2004年度事業計画(2004年4月~2005年3月まで)

 日本出版学会は,1969年に設立総会を開いており,当学会は設立35年を経たことになる.1969年当時における時代認識や学会自体の人的構成は大きく変化しているものの,出版研究における持続的な取り組みは21世紀を迎えた今日においても少しも変わるところはない.
 そこで当学会は,従来の出版研究の諸分野の活動を以下のように継続・拡大するとともに,学会設立35周年を記念した事業に対して積極的に取り組み,次の世代に対する責任を果たしたいと考えている.

■ 1.会勢の充実

 近年における新規入会者の増加には顕著なものがあるものの,長い年月におよぶ活動の中で退会者の増加も他方では妨げることができない.そこで当学会では,ウェブサイトによる広報活動や各部会を通じた研究会を通じて会勢を従来以上に充実したいと考えている.

■ 2.財政の強化

 財政においては,当学会はなおその構造上の脆弱さを拭うことができない.従来の賛助会員による財政支援は今後とも求められるところであるが,学会の自主的な財政強化を図るべく,書籍の出版や受託研究,その他の活動にも積極的に取り組むこととしたい.また,財政に関する特別委員会を設置して財政構造の見直しを行う.

■ 3.事 業

(1)調査研究の促進
 長期的視点に立った調査・研究活動を目標として,学会員の個別の研究と交流を促進するとともに,共同研究や共同調査の可能性について今後とも探索したいと考えている.
 1 研究部会活動の推進
 時代が求める課題に対応すべく,必要に応じて新しい研究部会を発足させ,これまでの実績を基に,部会活動の促進を図りたい.とりわけ,過年度においては関西部会の活動が顕著であったので,学会全体として今後とも注目して行きたい.
 2 研究集会の充実
 首都圏における春季研究集会,関西地区における秋季研究集会は次第に定着しつつあり,学会の最も重要な研究発表の場としての役割を果たしつつある.今後は,特に秋季研究集会の開催に当たっては,関西支部が中心となってその立案と運営を行うものとするが,学会をあげて従来以上の結集を図りたいと考えている.

(2)学会誌・会報の発行
 1 学会誌『出版研究』
 第35号の企画・編集を進め,年度内の発行を予定する.
 2 『日本出版学会会報』
 本年においては3号の発行を予定し,内容の充実を図るとともに,ウェブサイトとの連動によって学会の公知化に資することとしたい.
 3 会員名簿の改訂
 現在の学会員名簿は,2002年に発行されたものであり,これまでの会員の異同を含む改訂版を発行する.

(3)国際交流の促進
 当初2002年に開催が予定されていた中国・武漢における第11回国際出版研究フォーラムが諸般の事情から延期となり,2004年10月19日から22日までの開催が正式に決定されました.当学会は国際交流の観点からこのフォーラムに参加し,研究者との交流や情報交換を行う.

(4)日本出版学会賞の審査・授与
 日本出版学会賞は,創立10周年を記念して開始され,その後周年事業毎に計画を更新しつつ現在まで継続している.当期においては,第25回日本出版学会賞の審査・授与を行う.

(5)学会創立35周年記念事業への取り組み
 学会創立35周年を記念する事業として下記事業を計画し,実施に移す.今回の周年事業は,その内容と特性から単年度の事業としてではなく,3ヵ年を目標とした複数年度の計画とし,詳細については特別委員会を設置して決定するものとする.
 1 第12回国際出版研究フォーラムの日本誘致
 前回は1997年,東京の国連大学で開催され,費用については周年事業とは別に募金活動が行われた.しかし,今回は周年事業と結合させ,かつ第三者機関との共催も視野に入れて計画を策定したい.
 2 日本出版学会35年史の編纂と刊行
 当学会の出版研究への取り組みとその成果を適切に調査し,次の世代に継承するための学会史の編纂と刊行を行う.計画の策定と運営については特別委員会を設置して行う.
 3 日本出版学会賞の継続
 当学会設立10周年を記念して設置された日本出版学会賞は,その後20周年,30周年においても継承され,出版研究の推進に極めて重要な役割を果たしている.当学会は今後とも本件事業を継続すべく,財政基盤をより強固なものとしたいと考えている.
 4 募金活動
 以上の事業を可能とすべく,当学会は以後3ヵ年にわたる募金活動を行う.詳細については特別委員会において検討されるが,募金活動はあらゆる機会をとらえて積極的に行い,上記事業の実現を期す事としたい.

(6)その他
 1 出版事業関係
 2003年度に第8号を刊行した『日本出版史料』を継続し,第9号の編集・発行を推進する.また,その他の出版物についてもその実現を目指して積極的に取り組む.
 2 その他
 当期においては前期において選出された役員候補者の総会承認を経ることにより,以後2年間を任期とする新役員による運営が行われる.

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