2013年度事業計画(2013年4月~2014年3月まで)

2013年度事業計画(2013年4月~2014年3月まで)

 1969年に設立された日本出版学会は,学術研究団体として,確固たる地位を築きつつある。デジタル・ネットワーク社会における出版メディアのあり方は劇的に変化しており,出版研究の重要性はますます高まり,新たな段階に到達しているといえよう。
 そこで当学会は,従来の出版研究の諸分野の活動を以下のように継続・拡大するとともに,学会設立45周年を記念する事業に取り組み,次の世代に対する責任を果たしたいと考えている。

1.研究活動のネットワークの拡大

 1984年10月に最初の国際出版研究フォーラムが韓国ソウルで開催された。以来,四半世紀の間に我々は様々な交流を通じて,より内容を深めた議論を行う段階に到達している。2012年10月には,第15回国際出版研究フォーラムの日本で開催し,国際フォーラムの継続運営や海外在住会員との恒常的な連携,また部会活動を通じた国内の研究者間のネットワークも拡大している。我々はこの方向を踏襲して歩みたい。

2.会勢と財政の充実

 当学会は当初66名の発起人によって設立されたが,現在,会員数は約400に至った。しかし,学術研究団体としては決して多い数ではなく,その社会的使命を果たすためには,より多くの会員を擁することが必要と思われる。日常の活動や各種の刊行物を通じて,会員の獲得,会勢の充実を期したいと考えている。
 また,学会財政は長期にわたって出版産業の経済活動が停滞していることも要因となって,厳しい状況にある。ここ数年の経費節減の取り組みによって,現在は均衡を保っているものの,さらなる経費節減を進めるとともに,早急に学会財政の充実を図る必要がある。

3.事 業

(1)調査研究の推進
①研究部会活動の推進
 当学会の活動がその規模に比較して活発であることは,多様な部会活動にあるといえよう。一方で,一部に活動が停滞している部会もみられることから,前年度は再編統合も含めて部会活動の見直しをおこなった。今後は会員の期待に応えるべく,さらに積極的な部会活動が行われるように努力したい。
②研究発表会の拡充
 春季および秋季研究発表会において積極的な発表が続いており,活発な議論が行われている。また時代の研究課題に応えるシンポジウムの企画や基調講演もあり,毎回,多数の参加者を数えている。今後とも,学術的水準の向上の観点から,研究発表会をより充実させるべく努力したい。

(2)学会誌の発行
 『出版研究』第44号の企画・編集を進め,年度内の発行を予定する。

(3)広報活動の充実
①『日本出版学会会報』
 本年においては3号の発行を予定し,内容の充実を図る。
②ウェブサイトの拡充
 ウェブサイトの情報発信力を高め,会員間の情報交換を密にする。また会報との連動によって学会の公知化に資することとする。

(4)日本出版学会賞の審査・授与
 学会創立10周年を記念して創設された日本出版学会賞は,その後,20周年,30周年,35周年記念事業の中においても位置づけられ,毎年の経常的事業として継続されている。

4.特別事業(45周年記念事業)

 学会創立45周年を記念する事業を継続する。今回の周年事業は,その内容と特性から単年度の事業としてではなく,2014年度までの計画とし,各事業を実施する。

(1)会員名簿の作成
 2009年に会員名簿を作成して以来,4年が経過し,内容の変更が目立つため,2013年度中に名簿を作成する。

(2)募金活動
 記念事業を可能とすべく,当学会は当面3年間にわたる募金活動を実施している。募金活動はあらゆる機会をとらえて積極的に行う。

(3)本の学校出版産業シンポジウムへの協力
 7月の東京国際ブックフェアに合わせて開催される「本の学校出版産業シンポジウム」に協力する。